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ウッドショックとは?住宅購入は今後どうなる?

ウッドショックとは?住宅購入は今後どうなる?

 

木材の需要が高まり、価格が上がったり、納期が遅くなったりしている「ウッドショック」。世界的な住宅需要の高まりにより木材価格が上昇しています。日本もその影響を大きく受けており、住宅建築業界は強い危機感をもってこの問題を注視しています。世界の木材事情と日本の木材事情が絡み合うこの問題。

今回はウッドショックについて、詳しく解説いたします。

もくじ

1.「ウッドショック」とは?

2.「ウッドショック」が起きた原因は?

  2-1 日本の木材事情

  2-2 アメリカ・中国の事情

  2-3 世界的なコンテナ不足

3.国産材でまかなえばよいのでは?

  3-1 国内林業の減産体制

  3-2 国内製材供給の限界

4.今後の見通し

  4-1 ウッドショックはいつまで続く?

  4-2 住宅購入希望の人たちへ

5.まとめ

1.「ウッドショック」とは?

現在起こっている木材価格の高騰のことをいいます。2021年3月頃から、建築用木材の供給が需要に追い付かなくなり、1970年代の「オイルショック」になぞらえて名づけられました。

2.「ウッドショック」が起きた原因は?

2-1 日本の木材事情

ウッドショックは輸入材の供給不足を原因として起こりました。元をただせば、日本の建築用木材の自給率の低さがあります。日本の木材自給率はおよそ50%。日本の需要の半分を輸入に頼っているわけですから、世界情勢が日本に与える影響は必ず発生します。

供給不足の木材を国産材に変更しようという動きはありました。しかし国産材の供給量はすぐには上がりませんから、限られた国産材を使わなければいけません。結局国産材の価格も上昇してしまったのです。

2-2 アメリカ・中国の事情

ではなぜ、輸入材が不足したのでしょう。それはアメリカで木造需要が急増したことによります。新型コロナウイルスの影響でアメリカ経済も打撃を受けました。その対策として政策金利が見直され、低金利になったことにより住宅ローン金利も大幅に低くなりました。また、コロナウイルスの影響でリモートワークが多くなったことにより、さらに住宅の需要が上がっていたのです。 

中国では、世界に先駆けて景気が回復したことにより木造需要も増加していきました。 中国は近年木材の輸入が増えており、コロナ禍により拍車がかかった形になります。 

2-3 世界的なコンテナ不足

コロナ禍により、ライフスタイルが一変してしまった世界。一時的に経済が停滞してしまい荷物の取り扱い量が大幅に減少したことにより、物流会社はコンテナを返却・売却する時代になりました。しかしその後ネットショッピングの利用などが増え、 物流が圧迫されたことにより世界的なコンテナ不足が起きました。 

3.国産材でまかなえばよいのでは?

3-1 国内林業の減産体制

世界から木材が輸入できないのであれば、国産材の出荷量を増やせばいいではないか?多くの方がそのように思いました。しかし国産材市場にはなかなかうまくいかない事情があります。

近年の国産材の自給率は上昇傾向にはありますが、大幅な伸びが期待できないため、国内林業全体としては減産になっています。日本の山は急なので国産材を伐り出すにはコストがかかります。1964年の木材輸入自由化以降を、安い輸入材との価格競争に国産材が負けてしまったのです。そのため国内林業の多くは補助金だよりで経営しています。

3-2 国内製材供給の限界

実際に国内の木材は、日本の山々にたくさんあるといえばあるのです。しかし木を伐り出しても 増産できない理由があるのです。

建築で使用する木材は、製材後乾燥させます。基準のレベルまで乾燥しないと、木材が収縮したり曲がったりして不具合が起きてしまいます。ですから木材は乾燥させることが必要になります。乾燥させる方法は、乾燥機を使う人工乾燥と、自然に乾燥させる天然乾燥があります。天然乾燥は1年以上かかりますので、ウッドショックのような短期需要に対して 供給量を増やすのは難しいです。 人工乾燥すれば良いように思います。しかし人工乾燥機のかずと容量に限界がありますので、一気に供給を増やすのは難しいです。 設備投資をして、この需要を取り込もうとする会社も検討をしていますが、このウッドショックが収まってた木材価格が下落することを考えると、 設備投資にも踏み切れません。

こんなジレンマがあり、国内産は供給をなかなか拡大できません。

4.今後の見通し

4-1 ウッドショックはいつまで続く?

残念ですが、ウッドショックが収束する時期を予測することはできません。せめてコロナウイルスの感染の騒ぎが収まるまでは、難しいでしょう。 ただウッドショックが収まったとしても、 木材の供給がよくなることはあっても、価格が減少するかは不透明です。 近年世界中でインフレ傾向にありますし、木材だけでなく他の住宅資材も価格が上がっています。 

4-2 住宅購入希望の人たちへ

新型コロナウイルスが確認されてから、建築需要も一気に少なくなり、回復してきたと思えば、ウッドショックが発生しました。そのころに注文住宅を建てようとしていた方の中には、木材の価格が収まるまで住宅を建てるのを延期された方がいらっしゃいます。しかしその後どうなったか。価格は下がるどころかどんどん上昇しています。その頃は木材だけだったのですが、鉄や半導体などの価格も上がり、ほぼすべての建築資材が価格上昇したと言っても良いような状況です。価格が上昇してきたため、住宅購入をためらっている方がいらっしゃると思いますが、価格は今後も上昇することはあっても下落することは考えにくいです。しかしその反面世の中は給料アップに動いています。またようやく日本でも物価上昇に伴うインフレの兆しが見えます。楽観視はできませんが、住宅購入額以上のインフレや給料アップによって今の住宅価格が総体的に安くなる可能性もあります。必ずそうなるとは言えませんが、住宅は買いたいと思った時が買い時です。総合的に判断していただきたいと思います。

5.まとめ

世界では新型コロナウイルスの収束の兆しが見え始めています。日本と違い世界では人口が増えています。ということは世界では今後も住宅需要が伸びていくと考えられます。 ウッドショックと聞くと、なんだか短期的なイメージになってしまいますが、木材をはじめ、住宅資材は今後も価格上昇を続けることが予想されます。未来のことは誰にも分かりませんが、 住宅購入を考えられているのであれば、なるべく早めに情報収集することをお勧めいたします。 早くウッドショックも、 新型コロナウイルスも 騒ぎが落ち着いてくれることを切に願います。

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