リノベ流行で気を付けたい

2025年03月04日

リノベ流行で気を付けたい

最近、「これからはリノベの時代だ」
とよく耳にするようになりました。
実際、中古住宅を活用し、
性能向上を含めたリノベーションを
行うことで、新築よりもコストを
抑えつつ理想の住まいを手に入れるという選択肢は、
多くの人にとって魅力的です。

しかし、リノベーション市場が活発になればなるほど、
残念ながら悪質な業者も増えてくるのが現実です。
特に、「点検商法」と呼ばれる手口には
注意が必要です。
例えば、「屋根が傷んでいますよ」
と突然訪問して不安を煽り、
不必要な工事を高額で契約させるケースが後を絶ちません。

リノベ市場の価格差に潜む落とし穴

新築の場合でも、工務店によって
価格差はありますが、
リノベーションではその幅がさらに大きくなります。
適当な業者と、構造部分まで
しっかりと手を加える業者では、
費用が3倍から5倍も違うことがあります。
安さを売りにする業者に依頼して、
工事が雑で住みにくい家に
なってしまったという話は少なくありません。

「今だけ」「お得」「早い者勝ち」
といった言葉につられてしまうと、
後々後悔することになりかねません。
リノベーションは単なる
「見た目の刷新」ではなく、
住まいの性能を向上させることが本来の目的です。
価格だけでなく、どのような工事を行うのか、
しっかり見極めることが大切です。

かかりつけの建築会社を持とう

では、こうしたトラブルを避けるために
どうすればよいのでしょうか？

最も有効な対策は、
「信頼できる建築会社とのつながりを持つこと」です。
家を建てた後も、定期的に相談できる工務店があると、
いざというときに安心です。
しかし、20年、30年と経つうちに、
最初に依頼した建築会社がなくなっていたり、
疎遠になってしまうこともあります。
そのため、リフォームやメンテナンスの
タイミングで信頼関係を築いておくことが重要です。

また、建築会社を選ぶ際には、
ホームページや営業担当の印象だけで決めるのではなく、
その会社が地域に根付いているか、
実績はどうか、第三者の評判はどうかといった
視点で見極めることが大切です。

リノベーションは新築よりも難しい

「リノベーションは簡単」と思われがちですが、
実は新築よりもはるかに難しいものです。
耐震補強や断熱性能の向上、
耐久性の確保などを適切に行うには、
建築に関する総合的な知識が必要です。

特に性能向上を伴うリノベーションは、
設計も施工も高度な技術が求められます。
ところが、この分野には経験の浅い業者も多く、
消費者側が業者の技術力を見極めるのは
容易ではありません。
だからこそ、価格や宣伝文句だけで決めず、
施工事例や専門家の意見を参考にしながら
慎重に選ぶことが重要です。

住まい手と作り手が協力することが大切

残念ながら、悪質な業者を完全に
排除することは難しいのが現状です。
そのため、住まい手である私たち自身が
賢くなることが求められます。

リノベーションを検討する際は、
まずは「どんな住まいにしたいのか」
「どの部分を改善したいのか」を明確にし、
信頼できる業者を選びましょう。
長く付き合える工務店とつながりを持つことで、
家の価値を守ることができます。

せっかくの住まいが、悪質な工事によって
台無しにならないように。
大切な家族と暮らす住まいを守るために、
賢い選択をしていきましょう。