家の収納は「しまうもの」から逆算せよ

2025年11月30日

家づくりやリフォームの相談を受ける
とき、「収納が足りなくて困って
いる」という声をよく聞きます。
しかし、ただ収納量を増やせば問題が
解決するわけではありません。

大切なのは、収納を「作る」前に、
そこへ実際に何をしまうのかを
しっかり見極めることです。

■収納づくりで最初に考えるべきこと

収納計画の失敗で多いのが、
「とにかく大きい収納を作る」
という発想です。これでは、不要な
ものまで詰め込んでしまい、次第に
使いにくい空間になってしまいます。

まずは、家族がどんなものを持って
いるのか、そしてどの場所で使うのか
を丁寧に整理することが、すべての
出発点になります。

■使う場所に収納をつくるという考え方

収納は「使う場所の近くにあること」
が、片づけのしやすさを大きく左右
します。例えば、毎朝の身支度で使う
ものは洗面所の近くに、日用品の
ストックはキッチンやパントリーへ。

使う場所と収納場所が離れていると、
しまう手間が増え、物が出しっぱなし
になりやすくなります。逆に、動線に
合わせて収納を配置すれば、自然と
片づく家になります。

■収納寸法は「モノのサイズ」から決める

収納の奥行きや高さは、しまう物の
寸法から逆算すると、無駄のない
スペースが生まれます。例えば、
ティッシュ箱や洗剤ボトル、鍋の高さ
など、種類ごとに大きさは違います。

それなのに「奥行き45cmの棚」など、
一律で決めてしまうと、奥がデッド
スペースになったり、逆に小さすぎて
入らなかったりします。事前に必要な
サイズを書き出しておくと、収納の
精度がぐっと上がります。

■増やすより「流れを整える」収納へ

収納は増やすほど便利になるように
見えますが、実は「動線が整っている」
方が快適さに直結します。

帰宅したらバッグを置き、上着を掛け、
郵便物を仕分ける。その一連の流れが
スムーズになるように収納を配置する
ことで、散らかりにくい家になります。

どれだけ収納が多くても、動線に合わ
なければ使いこなせません。収納は
「家事の流れを助ける仕組み」として
考えるのがポイントです。

■結論：収納は家族の暮らしそのもの

収納計画とは、家族の暮らし方をその
まま形にする作業です。しまう物を
把握し、使う場所に合わせ、動線を
整えることで、自然と片づく家が
出来上がります。

「何となく収納を増やす」のではなく、
家族の生活を観察しながら、必要な
場所に必要な分だけつくる。これが、
失敗しない収納づくりの基本です。

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