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注文住宅で人気の平屋。メリットデメリットを紹介します! 

最近注文住宅を建てる人の中には、平屋を検討される方が増えてきました。平屋は階段がなく、バリアフリーに適しているため、中高年世代や将来のことを考える若い方にも人気です。平屋と二階建てでは、同じ住宅ですが、メリットデメリットが異なってきます。平屋のメリットデメリットを知ることで、平屋にするか二階建てにするか考えてみましょう。 

もくじ

1.平屋住宅のメリット

1-1 家事がしやすい。楽になる

1-2 バリアフリーで生活しやすい

1-3 家族とコミュニケーションが増える

1-4 階段のスペースが不要

1-5 構造が安定しているので耐震性に優れている

1-6 メンテナンス費用を抑えやすい

2.平屋住宅のデメリット

2-1 広い土地が必要

2-2 二階建てにくらべてコストが割高になる

2-3 日当たりが悪くなる場合も

2-4 プライベートが確保しにくい

2-5 プライバシーや防犯面に配慮が必要

2-6 水害時に不安

2-7 税金が高くなる

3.平屋を計画する時に気をつけたいこと

3-1 土地選び

3-2 間取り

3-3 プライバシーの配慮

4.まとめ

1.平屋住宅のメリット

1-1 家事がしやすい。楽になる

二階建てと比べて、上下の上り下りがありませんので、生活動線や家事動線が効率的になります。二階建てのお家の場合、1階で洗濯をして、2階のベランダに洗濯物を干します。洗濯物を取り込んで、また1階に収納する。平屋の場合はこの上下移動がありません。物を移動するにしても、1階から2階へ物を運ぶのは大変です。 平屋であれば、横移動だけのため 物を運ぶのも苦になりません。

1-2 バリアフリーで生活しやすい

平屋と二階建ての大きな違いは、 階段がないことです。このため家族の将来を考えて平屋を選択される方もおられます。二階建ての場合、将来体が不自由になったとすると2階部分が使えません。しかし平屋はワンフロアのため、家の面積を無駄にすることなく利用することができます。 

1-3 家族とコミュニケーションが増える

住宅を設計する場合、リビングを中心に間取りを考えることが多いです。平屋の場合、リビングを中心にして各部屋を配置すると、リビングを中心に家族が触れ合う機会が多くなります。そうなれば必然的にコミュニケーションがとりやすくなります。

リビングを通らないと、自分の部屋に行けない間取りになっていれば、いつも親子でコミュニケーションが取れます。二階建てでよくある、 子どもが帰ってきても階段を上ってすぐに自室にこもってしまうというようなことになることを防げます。

家族にとってはこれが一番のメリットではないでしょうか。 

1-4 階段のスペースが不要 

二階建ての場合、当然階段が必要になります。階段は面積でいうとおよそ2坪 必要です。

平屋では階段は必要ありませんから、その面積を有効に間取りに使うことができます

また、階段は家庭内の事故がある場所のひとつです。階段から転落した場合、骨折など重症化してしまうことも少なくありません。そうした心配がないのも平屋の特徴といえます。

1-5 構造が安定しているので耐震性に優れている

平屋は2階がないため、2階を支える壁や柱も不要です。そのため間取りの自由度も高くなります。建物自体の高さも低いため、重心が低くなるため構造的に安定しており、耐震性にも優れます

二階建てよりもリビングなどの天井を高くすることも可能です。 

1-6 メンテナンス費用を抑えやすい

住宅は購入した後もメンテナンスが欠かせません。屋根や外壁などの定期点検や修繕が必要になります。

平屋は二階建てに比べ建物の高さが低いため、 修繕などで足場を組むときに費用が抑えられます。 少しの修繕であれば足場をかけることなく修理することも可能です。

2階に水回りがある場合は、排水のつまりや経年劣化で漏水した時など2階の床、1階の天井など点検や修繕などで思わぬ費用が発生する場合もあります。 平屋の場合では、水回りは1階にしかありませんから、 二階建てほどの費用はかかりません。

2.平屋住宅のデメリット

2-1 広い土地が必要

同じ30坪の家を建てるとしても、二階建てよりも平屋の方が広い土地が必要になります。 土地の面積が決まっているため、平屋を建てると決めている場合は、それなりの土地を探す必要があります。平屋を建てる場合は広い土地が必要になりますから、それだけ土地の価格も高くなることが見込まれます。 

建ぺい率にも注意しましょう。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことをいいます。 適当に土地を決めてしまうと、購入した土地に対して希望の広さの平屋が建て建てられない場合があります。

2-2 二階建てにくらべてコストが割高になる

二階建てと同じ延べ床面積で比較すると、平屋は約2倍の広さになります。単純に基礎と屋根の面積が倍になります。基礎と屋根は工事単価が高いので、必然的に工事費が高くなってしまいます。坪単価は二階建てよりも高くなります。 

土地も広い土地が必要になりますから、土地代も高くなることも考慮しておきましょう。 

2-3 日当たりが悪くなる場合も

平屋で延べ床面積が大きく、 部屋数が多い場合は、中心にある部屋は日当たりが悪くなる可能性があります。 間取り設計でカバーする必要があります。 家の形をL字型やコの字型にしたり、中庭を設けたりする設定がありますが、割高になってしまいます。 

2-4 プライベートが確保しにくい

平屋のメリットのひとつに、家族のコミュニケーションがとりやすいことがありました。これは裏を返せば、家族間のプライバシーを確保することが難しいということでもあります。二階建てであれば、二階に個人ごとの部屋を設けることで解決します。 平屋の場合は、リビングから廊下を介してそれぞれの部屋に行く動線を設けるなど間取りの工夫が必要です。

2-5 プライバシーや防犯面に配慮が必要 

すべての生活空間が1階になる平屋は、立地によっては通行人などが気になることもあるでしょう。これは防犯面でもいえることで、侵入しやすい1階部分に窓が多くなる平屋だからこそ、防犯対策を万全にしておきましょう。

これらの対策として、

・フェンスや樹木を設置する

・道路など外部環境に適した間取りにする

・防犯カメラ・センサーライトを設置する

・家の周りに踏むと音が鳴る石を敷き詰める

などがあります。

2-6 水害時に不安 

日本は災害が多い国です。特に梅雨時や台風の季節などは全国各地で水害が起こっています。二階建てであれば二階に避難できますが、平屋の場合はそういうわけにはいきません。最悪の場合は、家全体が水に浸かってしまう恐れがあります。

災害はいつやってくるか分かりませんが、土地をこれから探す方はどこに家を建てるか選ぶことができます。ハザードマップを確認して、その土地の状況を把握しておくことが重要です。水害の不安がある場合は、別のエリアでの購入か、二階建てを検討するようにしましょう。

2-7 税金が高くなる

住宅を購入すると毎年課税される「固定資産税」。固定資産税は固定資産評価額によって税金が決まります。2022年5月現在、固定資産の優遇措置がとられています。

 

・土地面積200㎡以下 → 固定資産税が1/6に軽減

・土地面積200㎡越え → 固定資産税が1/3に軽減

・床面積120㎡以下  → 固定資産税が1/2に軽減

 

※優遇措置の軽減される期間については住宅の種類により異なります。

 

ちなみに200㎡は約60坪。120㎡は約36坪です。

床面積は平屋でも二階建てでも変わりませんが、土地面積は平屋住宅を建てる場合、広い土地が必要になりますし、建ぺい率の関係から60坪を越える土地でないと正直窮屈な住宅計画になってしまいます。

また住宅自体も平屋のほうが二階建てとくらべ屋根や基礎、外壁などが多くなるため、固定資産評価額が高くなるため、税額も高くなります。

3.平屋を計画する時に気をつけたいこと

3-1 土地選び

平屋を建てる場合、二階建てを建てるよりも慎重に土地選びを行う必要があります。

土地の大きさももちろんですが、土地の形や向きも重要な要素になってきます。周辺の住宅や道路の位置もきちんと確認しましょう。

よさそうな土地がみつかったら、その土地情報を元に住宅会社にプランを作成してもらいましょう。その土地に合わせたプランを作成し確認せずに土地を購入しないようにしましょう。土地の購入後に、なかなか上手くプランニングできないなどのトラブルが起こってしまいます。

そのためにも、住宅購入の順番は1.資金計画2.住宅会社選び3.土地選びの順番で行うのが大切です

土地選びでは、まずハザードマップを片手に調査することが大事だということは言うまでもありません。

3-2 間取り

土地選びでもいえることですが、平屋の間取りは自由度が多いようで難しいものです。特に各部屋の配置や採光などを考えると最適なプランを作り上げるのは簡単ではありません。平屋は二階建てと比べて広い土地が必要になりますから、間取りにおける土地の要素はかなり高いものになります。

土地選びと同じことですが、土地情報を元にして住宅会社におおよそのプランを作成してもらい、間取りと土地についてしっかり確認しましょう

3-3 プライバシーの配慮 

平屋のデメリットでもあったプライバシーの配慮。土地選びや間取りプランの作成にもいえることですが、土地・プラン作成の際に「ここにフェンスが必要だな」とか「ここに目隠し用の木を植えよう」などおおまかな庭・外構のプランも考えておきましょう。必要なプライバシー確保も大事ですが、その分費用も増えますので資金計画にも影響してきます。

4.まとめ

平屋住宅は現在人気です。二階建てで建てられた方も一度は平屋を検討されることが多いのです。それは、生活のしやすさだったり、老後の不安だったりします。

今回メリットとデメリットをお伝えしましたが、やはりネックになるのが「土地の広さ」。平屋は二階建てに比べて広い土地が必要です。広い土地は価格も高くなります。

そんなメリットがデメリットを上回るのであれば平屋をご検討ください。

平屋は二階建てに比べて土地選びと間取りプランが思ったよりシビアになります。そのあたりも注意してご検討ください。

 

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