アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシはどう違う?特徴を解説!
2023年02月27日
注文住宅で採用される窓サッシの主流は、
アルミ樹脂複合サッシ
樹脂サッシ
になります。
このアルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシはどう違うのか。
日本の窓サッシの歴史とともに特徴を徹底解説いたします。
アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシはどう違う?特徴を解説!
もくじ
1.日本の窓サッシの歴史
2.アルミサッシの特徴
3.アルミ樹脂複合サッシの特徴
4.樹脂サッシの特徴
5.アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシの熱貫流率
6.まとめ
1.日本の窓サッシの歴史
近年日本の窓サッシはどのように普及していったのでしょうか。サッシ枠にガラスがはめられた窓が登場するのが1900年頃。サッシ枠は木製が主流でした。
昭和30年代からアルミ製の住宅用窓サッシが普及しはじめ、昭和50年頃には、窓サッシのほとんどがアルミサッシになりました。当然このころは窓ガラスはシングルガラスになります。
2000年頃から省エネ性能を高めるためにアルミ樹脂複合サッシの開発が始まります。
樹脂サッシは内窓からスタート。1982年にはYKKAPからプラマードが発売され、2009年には樹脂サッシが発売されました。
2.アルミサッシの特徴
近年一番普及しているのがアルミサッシです。
アルミは軽くて腐食に強く耐久性が高いことから窓サッシにぴったりの素材でした。加工もしやすくコストも安くできるため、現在でも多くの住宅に採用されています。しかし、熱を伝えやすいため、断熱性が低いことがデメリットになります。
最近ではシングルガラスは少なくなり、ペアガラスのものが主流になりました。しかし断熱性が低いことに変わりはなく、住宅で使用されるまどは、アルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシに移行しています。
3.アルミ樹脂複合サッシの特徴
アルミ樹脂複合サッシは、その名のとおり、アルミと樹脂の2つの素材で作られています。アルミと樹脂のメリットを取り入れたサッシです。軽量で腐食に強く耐久性や強度が高いアルミを外側に、断熱性や気密性が高い樹脂を内側にすることで、耐久性・強度・断熱性・気密性という窓にとって必要な要素を兼ねそろえることができる窓サッシです。
4.樹脂サッシの特徴
樹脂サッシは世界では普及率が高いが、日本では20%程度の普及率となっています。
窓のフレームが樹脂でできており、断熱性・遮熱性・気密性に非常に優れています。樹脂の熱伝導率はアルミの1/1000程度とされており、断熱性能が高いことが分かります。
熱を伝えることが少ないため、室内側のサッシの表面が冷えにくく結露が生じにくいです。
気密性が高いため、高気密住宅に適しており、防音効果も期待できます。
樹脂サッシのデメリットとして紫外線に弱くアルミに比べて劣化が早いという指摘がありましたが、最近では、アクリルと硬質塩ビが使用されているなど紫外線対策がされており、指摘のような心配は現在ないようです。
5.アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシの熱貫流率
気になるのがそれぞれのサッシの熱貫流率。性能がよいのは分かりますが、どのサッシがどれくらいの熱貫流率なのか比較してみました。
※比較したのはリクシルの窓サッシとなります。
種類 | 名称 | ガラス | 封入ガス | 熱貫流率 |
樹脂サッシ | レガリス | 5枚ガラス | 0.55 | |
樹脂サッシ | EW トリプル | トリプルガラス | クリプトンガス | 0.79 |
樹脂サッシ | EW トリプル | トリプルガラス | アルゴンガス | 0.86 |
樹脂サッシ | EW ペア | Low-E複層ガラス | アルゴンガス | 1.27 |
アルミ樹脂複合サッシ | TW トリプル | トリプルガラス | クリプトンガス | 0.98 |
アルミ樹脂複合サッシ | TW トリプル | トリプルガラス | アルゴンガス | 1.04 |
アルミ樹脂複合サッシ | TW ペア | Low-E複層ガラス | アルゴンガス | 1.44 |
アルミ樹脂複合サッシ | サーモスⅡ-H | Low-E複層ガラス | 1.66 | |
アルミ樹脂複合サッシ | サーモスL | Low-E複層ガラス | 1.78 | |
アルミサッシ | サーモスA | Low-E複層ガラス | 2.70 |
※寸法は引違い窓W1690×H2030(EWはH2070)、レガリスは引違いがないため、公称値。
リクシル窓シリーズ一覧
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/series/
6.まとめ
高気密高断熱住宅に欠かせない、窓の断熱性や気密性。
近年では、アルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシが主流になってきましたが、当然住宅会社によって採用する窓サッシは変わります。同じアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシでもガラスの種類や枚数や封入ガス、などによって熱貫流率が変わります。
断熱性能を数値化するUA値は施工前に確認することができるため、プラン作成と同時に確認しておきましょう。特に断熱等級にこだわる方であれば、壁の断熱材はもちろんのこと、窓の断熱性能でも数値が変化しますので、要チェックポイントです。
コストと性能を見比べてよりよい窓を選択してください。
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