数字で見るエコな暖房

2024年09月26日

数字で見るエコな暖房

冬が近づくと、多くの家庭では
暖房の準備が始まります。
その中でも、「エコで暖かい暖房」
を考える人も増えてきて
いるのではないでしょうか。
エコな暖房と聞くと、
エアコンや電気ストーブを
思い浮かべる方も多いかもしれませんが、
実は意外な暖房方法が
環境に優しい選択肢になることがあります。
今日は、その一つ「薪ストーブ」について、
具体的な数字を使ってご紹介します。

エコな暖房を比較する

まず、エコな暖房を考える上で、
比較対象としてエアコンや
灯油ストーブが一般的です。
これらを薪ストーブと一緒に
比べてみましょう。

灯油ストーブ

灯油ストーブの場合、
1リットルの灯油は約10.9kWhの
熱量を発生させますが、
その過程で約2,490gのCO2を排出します。
燃焼効率を86%と仮定すると、
1kWhあたり約265.6gのCO2を
出すことになります。

エアコン

一方、エアコンは電気を
使って動くため、
電力供給元のエネルギー効率が
重要になります。
日本では、電気1kWhあたり
約555gのCO2が発生しますが、
エアコンの効率（COP）が
3.5の場合、実際のCO2排出量は
1kWhあたり約158.6gです。
灯油ストーブと比較すると、
かなり環境に優しいことがわかります。

では、薪ストーブはどうでしょうか？

薪ストーブのエコ度

薪ストーブに使われる
一般的な広葉樹の場合、
1kgの薪で約4.41kWhの熱量を
生み出しますが、
排出されるCO2はたったの17.8g。
これは灯油ストーブの
CO2排出量に比べてなんと1/112です。
さらに、薪ストーブの
燃焼効率を75%と仮定した場合、
1kWhあたりのCO2排出量は
約5.3gとなります。
つまり、同じ熱量を得る際に、
薪ストーブが排出するCO2は、
灯油ストーブと比べると
50倍も少ないのです。

エアコンよりも
薪ストーブの方がはるかに
環境に優しい結果になりますが、
ここで重要な点は、
「薪ストーブが排出するCO2は、
自然のサイクルに組み込まれている」
ということです。

薪ストーブは「循環型」の暖房

薪ストーブから排出されるCO2は、
もともと地球の大気中に
あったものが植物に吸収され、
薪として使われる際に
再び大気に戻るという
「カーボンニュートラル」
なサイクルを経ています。
一方、灯油やガスは、
地中深くに埋まっていた化石燃料を
掘り起こして燃やすことで、
大気中に新たなCO2を放出してしまいます。

こうした違いから、
薪ストーブは「見える煙」のせいで
「CO2を多く排出している」
と誤解されることが多いですが、
実際は非常に環境に優しい選択肢です。

冬の暖房、エコを意識した選択を

再生可能エネルギーを
活用したエアコンも、
もちろんエコな選択肢です。
しかし、冬は太陽光発電の効果が
夜間には十分得られず、
エネルギー効率が下がってしまうため、
完全にエアコンだけで冬を
乗り切るのは難しいかもしれません。

その点、薪ストーブは地元の薪を
使うことで輸送エネルギーも削減でき、
エコ度が高まります。
しかも、薪の調達方法を工夫すれば、
さらに環境負荷を軽減することが可能です。

結論として、もし環境に配慮した
暖房方法を検討しているなら、
薪ストーブは素晴らしい選択肢です。
偏見や誤解に惑わされず、
具体的な数字をもとに考えてみてください。
冬の暖かさとエコを両立させる
薪ストーブライフを、
ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。