メーカーにはこだわらない

2024年11月01日

メーカーにはこだわらない

住宅の新築やリフォームを考えている際、
多くの方が迷うのは
「どのメーカーの換気機器が良いのか？」
といった具体的な製品選びです。
住宅の快適さに影響するため、
これは当然の疑問です。
しかし、換気設備や空調といった
一つの部材だけで、
住まい全体の快適さが
決まるわけではありません。

製品の選択以上に重要な設計

快適な家づくりにおいて、
本当に重要なのは
「どのメーカーの製品を使うか」よりも
「どのように設計され、使われるか」
という点です。
設計者は、空間の特性や環境条件を把握し、
それに応じた設備選定と設置方法を考えます。
これによって、どんな状況でも
居心地の良い室内環境が生まれるのです。
たとえば、ある環境では
A社の換気が適していても、
別の環境ではB社のものが
理想的な場合もあります。
つまり、プロの目で見た設計力が
製品の効果を最大限に引き出します。

既製品とオーダーメイドの違い

住宅建築も、飲食業のように
「専門店」と「オーダーメイド店」
の違いに例えられるでしょう。
一般的に既製品の換気機器は
コストパフォーマンスに優れ、
安定した性能を発揮しますが、
住宅ごとの独自のニーズに対して
柔軟に応えるには限界があります。
一方で、オーダーメイドの設備設計では、
価格が上がる代わりに、
細かい要望に応え、特定の環境条件で
最大のパフォーマンスを発揮するよう
カスタマイズできます。

設計者と評論家の視点の違い

空調や換気の製品について議論するとき、
製品を評価するだけの
「評論家的」視点と、
製品を使いこなして住まい全体
をデザインする「設計者的」視点の
違いが重要です。
評論家は製品そのものに
焦点を当てますが、
設計者は「この製品をどのように組み込むか」
「どの条件下で最大限に活かせるか」
を考えます。
この違いが、建てられた住まいの快適さに
大きな影響を与えるのです。

住宅の快適さを決定する要素は、
機器の選択以上に、
その機器をどう使いこなし、
どう組み込むかにかかっています。
確かにメーカー選びも重要ですが、
信頼できる設計者に任せ、
家全体を考慮したバランスの取れた
空調や換気のプランを組んでもらうことが、
結果的には快適な住まいへの近道となります。