平屋の耐震性能は万全なのか

2024年06月23日

平屋の耐震性能は万全なのか

平屋と耐震性能の関係

平屋は二階建てと比較して、
地震時に一階の構造材に掛かる力が
約半分になります。
これは、建物全体の荷重が
一階に集中しないためで、
耐震性において有利な点です。
たとえば、お父さんが小学生の子どもを
肩車しながら相撲を取るのと
同じような状況を想像してください。
子どもがいない状態で
相撲を取る方が安定するのと同様に、
平屋は重心が低く安定しやすいのです。

法改正と平屋の耐震性

来年の法改正では、
平屋が「新3号特例」として
構造検討を省略できる
抜け道が用意されています。
この特例は、平屋の構造が
地震に対して十分な耐久性を持つ
という前提に基づいています。
しかし、この特例が本当に妥当かどうかは、
最新の調査結果に依存します。
もし、現行法規レベルで
平屋が耐震性に優れているという
結果が出れば、
新3号特例の正当性が
証明されることになります。

平屋の耐震等級と構造計算

私たちの工務店では、
平屋であっても耐震等級3を
取得することを推奨しています。
耐震等級3は、最も高い耐震性能を示し、
大地震に対しても建物が
倒壊しないことを保証します。
さらに、構造計算を行うことで、
建物全体の安全性を詳細に
確認することができます。
これは、平屋だからといって
耐震性を軽視せず、
最善の安全策を講じるためです。

能登半島地震と平屋の調査結果

最近の能登半島地震では、
平屋の被害状況が注目されています。
この調査結果が平屋の耐震性能を
評価する重要なデータとなります。
第二回目の調査報告会では、
まだ結論は出ていませんが、
今後の報告を注視しています。
公的機関が行う詳細な調査は、
私たちのような住宅の専門家にとって
非常に重要な情報源です。

平屋は、その構造上、
地震に対して有利な点がありますが、
それだけで安心するのは危険です。
新築やリフォームを考える際には、
平屋でも耐震等級3を取得し、
構造計算を行うことを強くおすすめします。
これにより、地震に対して
最大限の安全を確保することができます。