パッシブ換気

2024年12月04日

パッシブ換気

家づくりを考える際に、
換気について深く考えることはありますか？
多くの方が「第一種換気」や「第三種換気」
という一般的な方法を
耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、そのどちらでもない
「パッシブ換気」という選択肢をご存じでしょうか？

パッシブ換気とは？

パッシブ換気とは、機械的な動力を極力使わず、
自然の力を利用して家の中の空気を
入れ替える仕組みです。
この方法は、自然換気を計算して
設計に取り込むため、
住まい手が快適に過ごす工夫が詰まっています。
例えば、中間期（春や秋）に
室内がオーバーヒートするような時期でも、
空気の流れを利用して過剰な熱を
外に逃がすことが可能です。
また、「ナイトパージ」という夜間に
冷たい空気を取り込む手法にも活用でき、
エアコンに頼りすぎない暮らしが実現します。

パッシブ換気のメリット

エネルギー削減と静音性
24時間365日稼働する
換気扇の動力を減らせるため、
省エネ性能が向上します。
また、機械の音が少ないため、
静かな暮らしを実現できます。

快適な空間づくり
自然換気による柔らかな風の流れは、
機械的な換気にはない心地よさを生み出します。
さらに、デマンドコントロール
（必要に応じた風量調整）を組み合わせれば、
より効率的な換気が可能です。

他の換気方式との併用も可能
第一種換気や第三種換気との
組み合わせもできるため、
必要に応じて柔軟に
対応できるのも魅力の一つです。

導入の難しさと可能性

パッシブ換気は
基本的な原理がシンプルな反面、
実際に設計し、狙った通りの効果を得るには
高い技術力が求められます。
そのため、本州ではまだ実用例が少なく、
取り組む建築会社も限られています。
しかし、温暖地でも採用が可能であり、
正しい設計を行えば十分な効果を発揮します。

パッシブ換気は
「リスクが少なく、得られるメリットが大きい」
選択肢です。
大きなリターンを求めない
ローリスクローリターンの手法として、
知識として持っておくだけでも価値があります。

家づくりは、家そのものだけでなく、
住まい方の選択肢を広げるプロセスです。
パッシブ換気は、省エネで快適な暮らしを
実現する一つの可能性として、
これからの住まいづくりにおいて
注目されるべき技術です。
「興味を持つところから始める」ことで、
新しい価値観に出会えるかもしれません。
ぜひ、これからの家づくりの
一つの選択肢として検討してみてください。