耐震等級の罠

耐震等級の罠

 

数字の背後に潜む真実

 

「耐震等級3だから安心」と言われると、
つい信じたくなるものです。
しかし、その数字がどのように計算され、
何を基準にしているのかをご存じでしょうか？
地震の多い日本に住む私たちにとって、
住宅の耐震性は家族の安全を
守るための最重要項目です。
今回は、耐震等級の仕組みや計算方法に
潜む落とし穴について解説し、
賢い住宅選びのヒントをお伝えします。

 

耐震等級を決める3つの計算方法

 

住宅の耐震性を評価する計算方法は大きく分けて以下の3つです。

 

建築基準法の仕様規定
もっとも簡易的な方法で、
壁量計算などの最低限の基準を
満たすだけの計算です。
地震で即座に倒壊するリスクは低いものの、
強度にばらつきがあり、
耐震等級2や3には対応できません。

 

品確法に基づく性能表示計算
より詳細な計算が行われ、
耐震等級2や3を目指すための基準を満たします。
長期優良住宅として認定される場合に
採用されることが多い計算方法です。

 

許容応力度計算
最も精密で信頼性の高い方法です。
家の各部材が受ける応力と、
その部材が耐えられる力を
詳細に算出するため、
計算の精度が非常に高く、
地震への対策として最も優れています。

 

数字に潜むギャップ

 

「耐震等級3」と一口に言っても、
その裏にある計算方法が違えば、
家の強度も異なります。
たとえば、簡易的な仕様規定で設計された
「耐震等級3相当」の家は、
実際には許容応力度計算で設計されたものよりも
はるかに耐震性能が劣る場合があります。
この「相当」という表現には注意が必要です。

 

さらに、現行法では多くの木造住宅が
簡易な計算方法で設計されており、
許容応力度計算が行われるケースは
少ないのが現実です。

 

計算方法の選択がもたらす未来

 

耐震等級の計算方法を選ぶ際には、
初期費用が上がることを理由に
簡易な計算方法を選びがちです。
しかし、命を守るためには
許容応力度計算を選ぶことが
望ましいと言えます。
地震の被害を最小限に抑え、
修繕費用や精神的な負担を軽減することは、
長い目で見れば大きなメリットです。

 

また、2025年には法律が改正され、
許容応力度計算が義務化される
可能性があります。
早めにこの計算方法を採用することで、
安心を先取りすることができるでしょう。

 

「耐震等級」という数字は
安心の目安にはなりますが、
それだけに頼るのは危険です。
その数字がどの計算方法によるものかを確認し、
必要に応じて詳しい説明を求めることが重要です。
家族の命を守るための投資として、
耐震性にこだわる選択をしてください。

 

あなたの住まいが、
ただの建物ではなく、
大切な家族を守る
「シェルター」としての役割を
果たすことを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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