施主の仕事

2025年04月12日

あなたにしかできない、
家づくりというプロジェクトマネジメント

１．注文住宅とは、世界で一つだけのオーダーメイド

「家を建てる」と聞くと、なんとなく大工さんや設計士の
仕事がイメージされるかもしれません。でも、実はそれと
同じくらい、いえ、それ以上に重要なのが“施主である
あなたの役割”です。

注文住宅というのは、オーダーメイドのスーツやシャツに
似ています。自分の体型に合わせて作るだけでなく、
生地の色やボタンのデザイン、ポケットの位置まで
選びますよね。家づくりもそれと同じ。もっと言えば、
数百倍細かくて奥が深い選択の連続です。

その選択をするためには、まず自分の「こうしたい」
という気持ちを持つこと。そして、それをできる限り
明確に伝える努力が必要になってくるのです。

２．情報を集めるのは、立派な「仕事」です

「どんな家にしたいか」と聞かれても、いきなり
答えられる人はあまりいません。なぜなら、自分の中に
“材料”が足りていないからです。

SNSやYouTube、住宅展示場、建築雑誌——今は本当に多くの
情報源があります。それらを見たり読んだりして、
自分にフィットする暮らしのイメージを少しずつ
集めていく。この“インプットの時間”こそが、
施主としての大切な仕事のひとつです。

何を見ればいいか分からない時は、「自分が日常で
不便に感じていること」や「いいなと思った友人宅の工夫」
などからスタートしてみてください。日常の中に、
ヒントはたくさん転がっています。

３．要望の“質”を高めるということ

集めた情報をもとに、いよいよ要望を伝えていく段階に
入ります。でも、ここでひとつポイントがあります。
それは「要望は多くてもいいけれど、優先順位を
つけることが大事」ということです。

あなたも仕事で、上司から「これも、あれも、
ついでにこれも」と指示されて、「一体どこから手を
付ければ……？」と悩んだ経験、ありませんか？
家づくりでも、同じことが起こります。

「収納は多くしたいけど、予算内でやるなら何を削るか」
「外観のデザインと室内の動線、どちらを優先するか」
——そういった判断をしていくには、自分の中で
“何が一番大切か”を明確にしておく必要があります。

建築士や工務店は、あなたの思いをカタチにする
プロですが、何をカタチにするかは、あなたの思いが
なければ始まりません。

４．「忙しい」は、言い訳にしないでいい

「家づくりにそんな時間、取れないよ」という声も
あります。確かに、お仕事も家庭もあって、毎日は
とても忙しい。でも、だからこそ挑戦してほしいんです。

私がこれまで関わってきた「いい家を建てた」と
言える施主さんは、例外なく皆さん、家づくりの
ための時間を“創って”いました。土日の30分だけでも、
寝る前の15分だけでもいいんです。
その小さな積み重ねが、後悔のない家づくりに
つながっていきます。

結びに：家づくりは、人生づくり

注文住宅というのは、単なる建物ではありません。
それは、あなたとご家族のこれからの人生を包み込む
「器」をつくるということです。

その大切なプロジェクトに、施主としてしっかり
関わっていただけたら、私たち施工側も本気で応えたくなります。
むしろ、「一緒にいい家をつくりましょう！」
という想いで手を取り合うような関係が、一番理想的です。

家づくりは、あなただけにできる仕事があります。
だからこそ、ぜひその役割を全うしてください。

きっと、その努力は完成した家と、そこで過ごす
日々の中で、確かな「喜び」となって返ってくるはずです。

ご不明なことや相談ごとがあれば、いつでも声をかけてくださいね。
家づくりは、あなたと私の共同作業ですから。

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