土地の方角が気になる

2025年04月15日

45°振れた敷地にこそ、暮らしの可能性がある。

方角にこだわる理由、こだわらない選択

「土地は南向きが一番いい」
そんな言葉、聞いたことありませんか？

日当たりの良さ、明るさ、冬の暖かさ…。確かに、南向きの
土地にはたくさんのメリットがあります。しかし、実際に
土地を探してみると、すべてが理想通りというわけには
いかないのが現実。特に自然地形に沿って開発された地域では、
敷地そのものが南から大きく角度を振っていることも
珍しくありません。

今回は、そうした“振れた土地”に家を建てる場合の考え方について、
少しお話しできればと思います。

土地が振れているということ＝自由度があるということ

私たちが手掛けているある現場では、南に対しておよそ
40度ほど敷地が振れています。最初は「これはちょっと
難しいかな」と思われるかもしれませんが、実はこの
“振れ”こそが暮らしの可能性を広げる鍵になることもあるんです。

たとえば、建物をあえて敷地に素直に配置してみる。
すると、周囲の家々とは異なる角度になることで、
窓からの視線がずれ、プライバシーが確保されやすく
なります。また、日射の入り方もユニークになり、
特に冬の日差しを効果的に取り込めるように
工夫することができます。

強引に南向きにするという選択肢とその工夫

もちろん、どうしても“南向き”にこだわりたいという方も
いらっしゃいます。その場合、建物の配置を敷地の形状とは
関係なく、南側に向けて斜めに建てるという方法があります。

この場合のメリットは、日差しや景観をうまく
取り込めること。そして、斜めに配置することで、
隣家の窓と真正面で向き合わず、互いのプライバシーを
保ちやすくなる点も見逃せません。

ただし、敷地内に三角形の“死角”のような空地が
生まれやすいため、植栽や小さな庭をうまく使って
デザイン性を持たせることがポイントになります。

L字型中庭プランで、光と風を味方に

狭小地や建ぺい率が厳しいエリアでは、「L字型の中庭プラン」が
とても有効です。建物をL字に配置し、そのくぼみに
向けて大きな開口をとることで、日中の良い時間帯
（たとえば10時～14時）の太陽光をたっぷり
取り込むことができます。

振れた土地であれば、自分の建物の影を利用して、
夏の厳しい日差しを適度に遮ることも可能。中庭は
プライベートな外部空間としても機能し、子どもの
遊び場や家族の癒しの場にもなります。

実際、私たちが建てているあるお宅では、
建ぺい率上限50％に対して、申請は49.92%。
ほぼ目一杯に建てながらも、光と風をきちんと
設計した間取りになっています。

方角に振り回されず、土地の個性を活かすという発想

土地の角度が振れているからといって、あきらめる
必要はまったくありません。それは、設計の自由度が
高いということでもあります。

「ここじゃちょっと…」と判断する前に、ぜひ一度、
建築のプロに相談してみてください。きっと、
今まで思いつかなかったような可能性やプランが
見えてくるはずです。

私たちは、そんな“振れた土地”を、むしろ楽しみ
ながら設計しています。あなたの家づくりも、
土地の個性を活かした「あなたらしい暮らし」
から始めてみませんか？

どんな条件の土地にも、その場所にしかない魅力があります。
それを見つけるお手伝いができれば、私たち工務店冥利に尽きます。

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