新築で失敗しやすい間取りとは？

2025年05月04日

新築で失敗しやすい間取りとは？

新しい住まいを建てるというのは、多くの人にとって
人生の一大イベントです。
夢や希望をいっぱいに詰め込んだ家づくり。しかし、
完成して住み始めてから「こうすればよかった」
と後悔するケースも少なくありません。
今回は、私自身の経験や実際のお客様の声をもとに、
「新築で失敗しやすい間取り」について、
誠実な視点からお伝えしたいと思います。

動線を軽視した間取り

間取りの失敗で最も多いのが、「動線」の配慮不足です。
動線とは、人が家の中を移動するルートのこと。これが悪いと、
日常の小さなストレスが積み重なります。
例えば、買い物から帰ってきて、玄関からキッチンまで遠く、
しかも荷物を持ちながら狭い廊下を曲がりくねる必要がある
──こんな場面を想像してみてください。
ほんの少しの工夫、たとえば玄関からパントリーを
経由してキッチンに直行できる動線を設けるだけで、
生活の快適さは大きく変わります。
間取りを考えるときは、家族の日常の動きを具体的に
イメージすることが大切です。

採光を考慮しなかった間取り

新築住宅でありがちな後悔のひとつに、
「思ったより家の中が暗い」という声があります。
設計段階では間取りばかりに目が向きがちですが、
実際に暮らしてみると「陽が入らないリビング」
にがっかりする方も。
特に注意したいのは、北側に大きなリビングを
設けた場合や、隣家との距離が近い場合です。
必ず、土地の向きや周辺環境も考慮しながら、
窓の配置と大きさを検討しましょう。
自然光を取り込む工夫をすることで、
家全体の印象はぐっと明るく、心地よい空間になります。

家族の変化に対応できない間取り

「今」の生活にぴったり合わせた間取りは、
ときに将来の不便を招きます。
たとえば、小さなお子様に合わせて子ども部屋を
広く取りすぎたり、逆に個室を減らしてしまったりすると、
成長したときに「部屋が足りない」
「使いづらい」と困るかもしれません。
また、将来的に親との同居を考える場合にも、
柔軟に間仕切りできるように設計しておくと安心です。
今だけでなく、5年後、10年後のライフスタイルの
変化を想定することが、長く快適に暮らせる
家づくりには欠かせません。

「見た目重視」で機能性を犠牲にした間取り

デザイン性を重視するあまり、実用性を犠牲に
してしまうのもよくある失敗です。
例えば、吹き抜けを広く取りすぎてしまい、
冷暖房効率が悪くなったり、収納スペースが極端に少なかったり。
「かっこいいけれど、暮らしにくい家」に
なってしまっては本末転倒です。
デザインと機能のバランスを取りながら、
プロとしっかり相談することをおすすめします。

新築は「一生に一度」の大きなプロジェクト。
だからこそ、理想だけでなく、現実的な視点を
持つことがとても大切です。
今回ご紹介したような失敗例をあらかじめ
知っておくことで、後悔しない住まいづくりへの
一歩が踏み出せます。
もし迷うことがあれば、遠慮なく専門家に
相談してください。あなたとご家族にとって、
心から「建ててよかった」と思える家になることを、
心から願っています。