家族の成長に合わせる間取り変更のヒント

2025年08月03日

〜10年先も心地よい暮らしのために〜

家を建てたりリフォームするとき、多くの人が
「今の暮らし」に合わせて間取りを決めてしまいがちです。
けれど、子どもが成長したり、親と同居になったり、
テレワークが始まったりと、家族のカタチは時間とともに変わっていきます。

今回は、そんな“家族の変化”に寄り添える
間取りづくりについて、ヒントをお届けします。

■ 子ども部屋は“将来の分割”を見越す
可変性を意識したレイアウトに

お子さんが小さいうちは、広めの1部屋を兄弟姉妹で
共有するご家庭も多いですよね。
ですが、中学生や高校生になると
「一人の空間が欲しい」という声が増えてきます。

そんなときに便利なのが、“将来仕切れるような設計”です。
たとえば、あらかじめドアや照明、窓の配置を左右対称に
しておけば、壁を後から足すだけで2部屋にできます。
成長に合わせて変えられるようにしておくと、
費用も工期も抑えられます。

■ リビングは“多用途”を見据えて設計
くつろぎ・仕事・学習に使える空間へ

リビングは、家族が集まる場所であり、
いろんな用途が混ざる場所でもあります。
最近では、テレワークや子どものリビング学習など、
“集中できるスペース”としても注目されています。

たとえば、リビングの一角にカウンターを設ける、
収納棚でゾーニングするなど、「ちょっとした仕切り」
で空間の使い分けができます。
将来的に親の介護が必要になったときも、
リビング近くにベッドを置ける余地があると安心です。

■ 収納は“移り変わる暮らし”を支える
しまう量・場所は定期的に見直す

暮らしが変われば、持ち物も変わります。
子どものおもちゃが増えたり、部活や趣味の道具が増えたり。
あるいは子どもが独立してモノが減ったり。

だからこそ、“固定の収納”ではなく、
“動かせる収納”や“多目的な収納”が重宝されます。

押入れの奥行きを活かして机をつけたり、
納戸の棚を可動式にしておけば、
家族構成が変わっても対応しやすくなります。

■ 水まわりは“将来の動線”も想定する
同居・介護を見据えた設計を

将来的に親と同居したり、自分たちが高齢になることも
考えると、水まわりの動線も重要です。
寝室の近くにトイレがある、浴室に手すりを
取り付けられるスペースがある、洗面所に余裕がある——。
こうした“先まわりの配慮”が、住まいの快適さを大きく左右します。

あまり大げさにバリアフリー化する必要はありませんが、

「変えやすくしておく」「余白を持たせる」ことは、暮らしの変化に対応する上で有効です。

■ まとめ：家族の今と未来をつなぐ間取り

家づくりは、今の暮らしを反映することも大切ですが、
10年・20年先をイメージすることでもっと豊かになります。
「今は使わないかもしれないけど、将来使うかもしれない」
——そんな視点が、将来のコストとストレスを減らしてくれるのです。

間取りは、家族の成長とともに“育てていくもの”。
そのための工夫や余白を持たせておくことが、快適な暮らしの秘訣です。

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