OB客との関係を深める方法
2026年09月30日
OB客との関係を深める方法
住宅会社にとって、「OB客」という存在は、とても大切です。
一度家を建ててもらったお客様。
リフォームをしてもらったお客様。
その後も何かあれば相談してもらえるお客様。
住宅は、工事が終わってからも何十年と使い続けるものです。
だからこそ、工事が終わった時点で関係が終わるのではなく、そこから新しい関係が始まると考えることができます。
一方で、お客様の立場からすると、
「工事が終わったら、もう営業の連絡はいらない」
と思うこともあるでしょう。
この違いを考えることが、OB客との良い関係をつくる第一歩なのかもしれません。
大切なのは、「仕事をもらうために関係を続ける」のではなく、「困ったときに相談できる関係を続ける」ことです。
■ 「売るための連絡」と「気にかける連絡」は違う
OB客との関係を深めようとすると、つい「何か仕事はありませんか?」という方向に考えてしまいがちです。
しかし、これではお客様も少し構えてしまいます。
例えば、久しぶりに電話がかかってきて、
「そろそろ外壁の塗装はいかがですか?」
「水回りのリフォームをしませんか?」
と言われれば、「営業の電話かな」と感じる人もいるでしょう。
もちろん、必要な時期に適切なメンテナンスを案内することは大切です。
ただ、それだけではなく、
「その後、家の具合はいかがですか?」
「何か困っていることはありませんか?」
というところから始まる関係もあります。
必要がなければ、それ以上すすめない。
今はまだ直さなくてもいいなら、
「もう少し様子を見て大丈夫ですよ」
と伝える。
こうした対応のほうが、かえって信頼につながることがあります。
売らないことが、次の相談につながる。
少し不思議に感じるかもしれませんが、長い付き合いではとても大切な考え方です。
■ 「小さな相談」にきちんと応える
OB客との関係を深めるうえで、意外と重要なのが小さな相談です。
「ドアの動きが悪くなった」
「蛇口から少し水が漏れる」
「この設備の使い方が分からない」
「網戸を交換したい」
「外壁のこの部分が少し気になる」
こうした相談は、一つひとつを見ると大きな工事ではありません。
しかし、お客様にとっては、
「どこに頼めばいいんだろう?」
という困りごとです。
そこで気軽に相談できる会社があれば、大きな安心になります。
そして、小さな相談に丁寧に対応していると、
「家のことなら、とりあえずあの会社に聞いてみよう」
という存在になっていきます。
この「とりあえず相談してみよう」という関係は、実はとても大きな財産です。
■ 家の「かかりつけ医」のような存在になる
病院には、体調が悪くなったときに相談できる「かかりつけ医」がいます。
住宅にも、似たような存在があってもいいのではないでしょうか。
家のことで困ったとき、
「これはどこに相談すればいいのか分からない」
ということは意外と多いものです。
設備メーカーに聞くべきなのか。
電気屋さんなのか。
水道屋さんなのか。
大工さんなのか。
原因が分からない段階では、なおさらです。
そんなときに、
「まずは、以前工事をお願いした会社に聞いてみよう」
と思ってもらえる。
これが、OB客との理想的な関係の一つだと思います。
すべての工事を自社だけで対応できなくても構いません。
必要であれば専門業者につないだり、原因を一緒に確認したりする。
「そこはうちの仕事ではありません」と終わらせるのではなく、困りごとの最初の相談窓口になる。
それだけでも、お客様にとって大きな価値があります。
■ 「家の履歴」が残っていると、関係はさらに深くなる
長い付き合いをするうえで、もう一つ大切なのが「記録」です。
いつ、どんな工事をしたのか。
どんな設備が入っているのか。
どんな材料を使ったのか。
以前どこを修理したのか。
こうした情報が残っていれば、何年後かに相談を受けたときにも話が早くなります。
お客様が、
「10年くらい前に、ここを工事してもらったんですが……」
と説明しなくても、
「以前、この部分をこういう工事をしていますね」
と会社側が分かれば安心です。
担当者が変わっても、会社として情報が引き継がれている。
これは、長期的な関係をつくるうえで非常に重要なことです。
住宅は何十年という時間を過ごす場所です。
だからこそ、人の記憶だけではなく、会社として家の記録を残しておくことにも意味があります。
■ OB客同士のつながりも、地域の財産になる
OB客との関係は、一対一だけとは限りません。
同じ地域で暮らしているOB客同士が、イベントや相談会などを通じてつながることもあります。
例えば、家に関する相談会を開いたり、住まいのメンテナンスについて情報を提供したり、地域のイベントを一緒に楽しんだりする。
こうした場があると、
「この会社で家を建てたのは自分だけではない」
という安心感にもつながります。
また、OB客から、
「うちはこういうリフォームをしましたよ」
「この設備は使いやすいですよ」
といった、実際に暮らしている人だからこそ分かる情報が共有されることもあります。
住宅会社が一方的に情報を提供するのではなく、お客様同士も含めて、地域のつながりをつくっていく。
それも、地域で住宅の仕事をする会社にとって、大切な役割の一つではないでしょうか。
■ OB客との関係は「次の仕事」のためだけではない
OB客との関係を深めることは、結果としてリフォームや修繕、紹介などの仕事につながることがあります。
しかし、最初からそれだけを目的にすると、どこか不自然になります。
本当に大切なのは、
「この家で、これからも安心して暮らしてもらえるようにする」
ということではないでしょうか。
困ったときに相談してもらう。
必要なときに情報を伝える。
小さな修理にも対応する。
無理に工事をすすめない。
以前の工事内容をきちんと記録しておく。
そうした積み重ねが、
「家のことなら、ここに相談しよう」
という信頼につながります。
そして、その信頼が何年も続けば、結果として次のリフォームや修繕、家族や知人からの紹介につながることもあります。
つまり、OB客との関係を深めることは、営業活動というより、長い時間をかけて信頼を育てることなのです。
住宅会社を選ぶ側から見ても、これは一つの判断材料になります。
「工事が終わった後も、以前のお客様とどのような付き合いをしていますか?」
「小さな修理や相談にも対応していますか?」
「何年も前のお客様から、今でも相談を受けていますか?」
そんな質問をしてみるのもよいでしょう。
新築やリフォームは、完成した瞬間だけを見るものではありません。
その家で暮らす年月まで考えれば、住宅会社との関係も長く続いていきます。
「何かあったら、あの会社に相談しよう」
そう思える会社が近くにあることは、家そのものと同じくらい、大きな安心につながります。
家を建てる会社を選ぶときには、どんな家を建てているかだけでなく、
「建てた後のお客様を、どのように大切にしているか」
にも目を向けてみてください。
そこには、その会社が本当に大切にしているものが、表れているかもしれません。
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