持ち家と賃貸はどっちがお得?メリットデメリットを解説します
2022年05月24日
持ち家と賃貸はどちらがお得なのでしょうか?よく聞かれる質問です。持ち家にも賃貸にもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらがお得かというとそれぞれのご家庭の状況によります。今回は総務省の「住宅・土地統計調査」というデータをもとに持ち家と賃貸の傾向をみて、どのようなご家族にそれぞれメリットデメリットがあるのかを解説します。
もくじ
1.データでみる持ち家と賃貸
持ち家にするか賃貸にするか。その比率は総務省の「住宅・土地統計調査」で知ることができます。
1-1 持ち家の比率
1978年の持ち家は60.4%、賃貸住宅は39.4%。
2018年の持ち家は61.2%、賃貸住宅は38.2%。
40年間この比率に大きな変動は見られません。
1-2 年代別の持ち家率
世帯主の年齢別持ち家率
25~29歳 1978年 28.1% 2018年 9.1%
30~39歳 1978年 51.8% 2018年 43.8%
40~49歳 1978年 70.0% 2018年 57.9%
この数字を見てみると、1978年~2018年の40年で、20代の持ち家率が大きく減少しています。1978年時点では、30代で住宅購入する人が多くいたことが分かります。2018年を見ますと40代になってから住宅を購入する人が多いことが分かります。購入年齢が上がってきています。
1-3 購入年齢が上がった理由
持ち家比率はおよそ60%と長年変化はありませんが、購入年齢が上がっているのはなぜでしょうか。
ライフスタイルの変化
近年、晩婚化の影響で持ち家比率に影響を与えています。内閣府の「少子化対策の現状」によりますと、平均初婚年齢は次のようになっています。
平均初婚年齢
男性 1985年 28.2歳 2018年 31.1歳
女性 1985年 25.5歳 2018年 29.4歳
このように平均初婚年齢があがったこと、さらに出産年齢も上昇したことにより、住宅購入年齢があがったと考えられます。
ワークスタイルの変化
住宅購入には資金が必要です。住宅ローンを利用することが多いかと思いますが、近年は住宅価格は上昇しています。しかし賃金はなかなか増えておらず、夫婦どちらか一人で住宅ローンを組むことも厳しい方も増えてきました。現在は女性が働くことが当たり前になっています。結婚した家族も共働きが増え、ペアローンで住宅ローンを組むことも当たり前になってきました。その結果、子育てを終えた頃に住宅購入を検討することから購入年齢が上がったと考えられます。
また、定年退職の年齢も上がってきました。1985年は55歳の定年が普通でした。しかし現在では65歳の定年年齢になり、再雇用制度もできました。これにより住宅ローンの年齢制限の75歳や80歳まで働くことも可能です。このため40代でも住宅ローンを組むことが可能になり、また40代になると収入も増えるため40代で住宅購入する方が増えてきたと考えられるのです。
2.持ち家のメリットデメリット
2-1 持ち家のメリット
・住宅ローンが終われば、金銭的余裕がでる
・リフォームや建て替えが自由にできる
・何かの理由で手放すとしても、資産として売却することができる
・ローン契約者が死亡しても団体信用生命保険があるので、家族は安心
2-2 持ち家のデメリット
・住宅ローン返済の経済的負担
・リフォームや修繕の経済的負担
・気軽に引越ができない
2-3 持ち家に向いている人
持ち家は、購入すれば自分のものになります。持ち家は家族の拠り所として安心できる場所でもあります。持ち家のメリットでもありますが、住宅ローン契約者が万が一死亡したり、三大疾病などで働けなくなってしまっても、団体信用生命保険で残りの住宅ローン残高がゼロになります。このため残された家族は住む場所に困らないため、一つの安心材料になります。ただし住宅ローンを利用するには安定した収入があることが大前提となりますから、持ち家を持つ、住宅ローンを利用する際には将来の計画が欠かせません。
3.賃貸のメリットデメリット
3-1 賃貸のメリット
・気軽に引越ができる
・修理やメンテナンスが生じた場合、大家さんが直してくれる
・自分の収入に合わせて住居費を決めることができる
・固定資産税がかからない
3-2 賃貸のデメリット
・家賃をいくら支払っても自分のものにはならない
・近隣住民とのトラブルがある可能性がある
・内装を自分でDIYすることができないことが多い
・高齢になると賃貸契約が難しくなる
・引越するたびに、引越代・処分費・修繕費・敷金・礼金などがかかる
3-3 賃貸に向いている人
仕事柄、出張や転勤が多い人は賃貸住宅が向いているといえます。気軽に気分転換で、数年に一度居住先を変えたいというかたも賃貸に向いています。ご家族がいない単身者は賃貸住宅が向いています。現役をリタイヤした老後に思い切って違う土地に住みたい、老人ホームに入居することを考えている人もライフスタイルに合わせて居住地を変えることができる賃貸がよいでしょう。
4.まとめ
持ち家の比率は40年前と比較して60%とほぼ変わっていません。ただ、住宅購入年齢が上がっているのは、やはり時代背景なのでしょう。
持ち家と賃貸の比較をするタイミングは住宅購入したいと思ったときではないでしょうか。住宅購入したいと思うタイミングは、結婚したり子どもが出来たときです。賃貸住宅が狭く感じるようになった、落ち着ける家族の居場所が欲しくなった。何よりも家族が出来た場合、考えることは家族の幸せです。自分にもしものことがあったら賃貸住宅でも奥さんと子どもで十分やっていけるのか、持ち家にして住宅ローンが全額弁済されたときと比べてどうなのか。いろいろなことを考えながら持ち家にするか賃貸にするか決めて下さい。