満足度の高い住宅の特徴とは？

満足度の高い住宅の特徴とは？

自分が住んでいる家を考えてみますと、何かしら不満があるものです。お風呂が狭いとか、洗面所が使いにくい、トイレが暗い、キッチンの収納がもう少しあったら・・・世間一般の人がとても良いと思う家でも、住んでいる人にとって不満は何かしらあるものです。家を建てる人はみんなそれぞれの理想をカタチにしようと完璧な家に憧れるものです。それに応えるべく、我々設計に携わる者も時代と共に進化し、よりお客様の理想を叶えようと努力しています。では、住まいの理想とは何なのか、満足度の高い暮らしを実現するためにはどうすればよいのか。住宅に関する満足度について考えてみました。

家が建ったときの満足度

多くの方にとってマイホームは一生に一度の大きな買い物です。テレビや洋服のように飽きてしまったり、新商品が出たからといって簡単に買い替えるものではありません。ですから、どんな人でも自分にとって最高の満足を得られる家を建てたいと考えます。これから長く住む家なのですから、その家を好きで、愛着が湧くようにすることがとても重要です。

 

家に対して愛着をもつようにするには、建てるときに自分の気に入ったデザインや素材をチョイスすることが非常に大事です。建築家とともに事前ヒアリングや打ち合わせを通じて、自分の好きなデザインを作り上げていきます。ご自身の家に対する理想を建築家に伝え、建築家にカタチにしてもらう。自分の理想がカタチになり、その理想の家が完成すれば、愛着が湧かないわけはありません。

 

ただ、ここで、「家が建ったときの満足度」と「長く暮らし続けるうえでの満足度」は違うことに注目して欲しいのです。注文住宅を建てたばかりは、自分の理想の家が出来たことに大満足だと思います。その感動が１０年、２０年の時を経て持続しているかというと、すべての人がそうだとは限りません。では、長い年月を経ても満足度の高い家にするにはどうしたらよいのでしょう。

満足度の高い家で重要視される項目とは

長期にわたって生活する住まいで満足するには家が出来たときの感動とはまた違った要素が不可欠です。国土交通省が平成２５年に発表した生活総合調査に、「住居及び居住環境の評価」という項目があります。その中に住宅に対する不満要素があるので、ご紹介します。

 

【住宅に対する不満要素】

1．高齢者などへの配慮　53.5%
2．地震時の住宅の安全性　48.6%
3．冷暖房などの省エネルギー性　46.7%
4．住宅の傷みの多さ　45.2%
5．住宅の断熱性や気密性　44.1%

 

この結果から分かることは、地震に対する安全性や、省エネルギー、断熱性能に対して不満があると、住まい全体の満足度が落ちてしまうことが分かります。注文住宅を建てる場合、意識をするのはデザインや間取りなのですが、基本性能がきちんとしていないと長期間の間、その家に対する満足度は減っていってしまうのです。逆にいうとこれらがしっかりとしていれば、長期間満足な住宅になるということです。

感覚的な満足度

自分が気に入ったデザインや間取り、さらには基本性能もしっかりしている家はやはり満足度が高い住宅になります。ただ、長期間その住宅に満足し続けるにはそれだけでは十分とはなりません。それは毎日暮らす家はデザインや間取り、基本性能など実感できるものだけではなく、感覚的な満足度を上げることも非常に重要だからです。

感覚的な満足度を高めるにはどうしたらよいのか。それは「美しさ」「快適さ」「心地よさ」の３点があげられます。この３つは「人の感覚」に左右されますので数値化された性能のように明確なものがありません。この住む人にとっての建物の「美しさ」、暮らしやすさが実感できる「快適さ」、安心感を体感できる「心地よさ」があるかどうかで、暮らしの感覚的な満足度が変化します。

 

これは、何気ない時ににふと、「美しさ」「快適さ」「心地よさ」の３点を感じる瞬間があるのならば、感覚的に満足していることが分かります。この感覚的な満足度は他人には理解されることは少なく、それはあなたと建築家にとっても同様です。家を建てるときには、あなた自身がこだわりをしっかりと建築家に伝え、その「感覚」を感じてもらいましょう。そういった少しの努力が、手間が長期にわたる満足度につながっていくのです。

 

 

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