暖房はつけておく？

2024年12月31日

暖房はつけておく？

～家を守るための冬の知恵～

年末年始や長期休暇の際、
家を空けるときに
「暖房をどうするべきか？」
と迷ったことはありませんか？
普通の感覚では、
使わないものは電源を切っておくのが節約の基本。
しかし、実は「完全に暖房を切る」ことが
家にとって良くない場合もあるのです。

日本と海外の違い

日本では、家を空けるときに暖房を
すべて切ることが一般的です。
「暖房をつけっぱなしにするなんてもったいない」
と思う方が多いでしょう。
しかし、海外、とくに欧米の寒冷地域では違います。
多くの家庭では、長期間家を空ける場合でも
最低限の暖房をつけたままにするのが一般的です。
それどころか、規約として
「完全に暖房を切ること」
を禁止している地域もあるほどです。
なぜでしょうか？

暖房を切ると起こるリスク

暖房を完全に切ると、
家の中の温度は外気温に近づき、
数日で非常に寒くなります。
この極端な低温状態が湿気とのバランスを崩し、
カビの発生を招くことがあります。
たとえば、室内の温度が5℃、
湿度が80％だとすると、
少し温度が上がっただけでカビが
繁殖しやすい環境になります。
また、木材や壁材などの劣化が進む
可能性も高まります。
人がいなくても家を守るためには、
「家の温度をある程度保つこと」
が重要なのです。

断熱性能とエネルギー効率

高断熱住宅であれば、
最低限の暖房をつけておくだけで
室温を15℃程度に保つことができます。
これは、家の劣化を防ぐだけでなく、
帰宅時の快適さにもつながります。
現在ではIoT技術を使い、
家を空ける前に最低限の暖房設定を行い、
帰宅する数時間前に暖房を
通常モードに戻すといった操作も簡単です。
ただし、一般的な住宅では
エネルギー消費が大きくなる可能性があるため、
まずは断熱改修を検討することをおすすめします。

冬の長期不在時、
暖房を完全に切らないことは
家を守る大切な知恵です。
少しのエネルギーコストをかけることで、
家の健康を保ち、
将来的な修繕費用を抑えることができます。
次の年末年始や冬の休暇には、
「暖房をつけっぱなしにする」
という選択肢をぜひ検討してみてください。
そして、もし断熱性能が気になる場合は、
プロに相談して断熱改修を
検討するのも良い一歩です。
家を大切にする行動が、
暮らしの快適さにもつながります。