営業マン任せの人は要注意
2026年09月17日
営業マン任せの人は要注意
「家を建てよう」と思ったとき、最初に相談する相手は誰でしょうか。
多くの人は、住宅会社の営業担当者ではないでしょうか。
もちろん、営業担当者は住宅会社との窓口として、とても重要な存在です。資金計画や土地探し、間取り、設備、スケジュールなど、家づくりのさまざまな場面で頼りになるでしょう。
ただし、ひとつ注意してほしいことがあります。
「営業マンが勧めてくれたから」という理由だけで、家の重要な部分まで決めてしまうことです。
営業マンに任せることと、営業マン任せにすることは、似ているようで大きく違います。
今回は、住宅会社と上手に付き合いながら、後悔しないために知っておきたいことを考えてみます。
■営業マンは「家の専門家」でも、すべての専門家ではない
住宅会社の営業担当者は、家づくり全体をまとめる役割を担っています。
そのため、住宅ローン、土地、間取り、設備、補助金など、幅広い知識を持っている人も多くいます。
しかし、住宅には非常に多くの専門分野があります。
例えば、
構造
耐震
断熱・気密
結露
建築法規
設備
電気
外構
メンテナンス
などです。
営業担当者がすべてについて、設計士や現場監督、設備の専門業者と同じ深さの知識を持っているとは限りません。
だからこそ、
「営業マンが言ったから大丈夫」ではなく、「その根拠は何なのか?」
と確認する姿勢が大切です。
分からないことがあれば、
「設計担当の方にも確認してもらえますか?」
「構造について詳しい方に説明してもらえますか?」
と聞いてみてもいいでしょう。
これは住宅会社を疑うということではありません。
むしろ、専門家それぞれの知識を活用するための当たり前の確認です。
■「おすすめです」の理由を聞いてみる
営業担当者から、
「この設備がおすすめです」
「この間取りが人気です」
「この仕様にしておいたほうがいいです」
と言われることがあります。
ここで、「プロが言うのだから」と、そのまま決めてしまうのは少し待ちましょう。
例えば、
「なぜおすすめなのですか?」
と聞いてみてください。
「掃除が楽だから」
「光熱費を抑えやすいから」
「将来のメンテナンスを考えるとメリットがあるから」
など、具体的な理由が出てくれば判断材料になります。
逆に、
「皆さん付けています」
「人気があります」
「せっかく新築するなら、これくらいは」
という説明だけなら、自分たちに本当に必要なのか、もう一度考えてみる価値があります。
「人気があるもの」と「自分たちに必要なもの」は、必ずしも同じではありません。
■「できる・できない」を営業マンだけで判断しない
住宅の打ち合わせでは、
「この間取りはできますか?」
「この窓を付けられますか?」
「ここに収納を作れますか?」
といった質問をすることがあります。
営業担当者がその場で、
「できますよ」
と答えてくれれば安心します。
しかし、住宅は敷地条件や構造、法規、設備など、さまざまな条件によって決まります。
そのため、簡単に「できます」「できません」と判断できないこともあります。
特に、
構造に関わる変更、耐震性に関わる変更、断熱性能に関わる変更
などは、設計担当者などに確認してもらったほうが安心です。
「営業マンに聞くな」という話ではありません。
営業マンを窓口として活用し、必要なところでは専門担当者につないでもらう。
この使い方が理想です。
■一番大切なのは「自分たちの優先順位」
営業担当者が優秀でも、その人があなたの家族の生活をすべて知っているわけではありません。
例えば、
「家事をする時間をできるだけ短くしたい」
「冬の寒さが苦手」
「休日は家族がリビングに集まる」
「将来、1階だけで生活できるようにしたい」
「できるだけ住宅ローンの負担を抑えたい」
こうしたことは、家族にしか分かりません。
だから、住宅会社に相談する前に、
「自分たちは家に何を求めるのか」
を家族で整理しておくことが大切です。
例えば、
絶対に譲れないもの
・冬でも寒くないこと
・地震への安心感
・家事が楽な間取り
できれば欲しいもの
・大きな浴室
・食洗機
・広い収納
なくても困らないもの
・使う機会の少ない設備
・見た目だけのオプション
このように分けてみると、営業担当者からさまざまな提案を受けても、自分たちの基準で判断しやすくなります。
■「良い営業マン」を見分けるポイント
営業担当者に任せきりにするのは危険ですが、だからといって営業担当者との関係を軽視する必要はありません。
むしろ、良い営業担当者に出会うことは、家づくりにおいて大きなメリットです。
では、どんな営業担当者なら安心でしょうか。
私は、「売ること」より「質問にきちんと答えること」を大切にしている人が一つの目安になると思います。
例えば、
「分からないので確認します」
と正直に言える。
メリットだけでなく、デメリットも説明する。
予算を無理に引き上げようとしない。
こちらの要望を聞いたうえで、「それは必要ないかもしれません」と言ってくれる。
そして、こちらが納得するまで急かさない。
こうした対応をしてくれる担当者なら、良いパートナーになってくれる可能性があります。
反対に、
「今日契約してもらえれば……」
「今月中なら……」
と決断を急かされたり、質問に対して具体的な説明がなかったりする場合は、一度立ち止まって考えたほうがいいでしょう。
営業マンを「任せる相手」ではなく「一緒に考える相手」に
住宅会社の営業担当者は、敵でもありません。
むしろ、土地探しから完成まで長く付き合う、大切なパートナーです。
だからこそ、
「全部お任せします」ではなく、「一緒に考えてください」
という関係をつくることをおすすめします。
営業担当者には、分からないことをどんどん質問する。
必要なら設計士や現場監督などにも説明してもらう。
そして、提案されたものについては、
「それは我が家に本当に必要なのか?」
と一度考えてみる。
住宅は、営業担当者のために建てるものではありません。
もちろん、住宅会社のおすすめを採用してはいけないということでもありません。
納得して選んだ「おすすめ」なら、それは自分たちの家の大切な選択になります。
家づくりで大切なのは、営業マンに任せないことではなく、**「判断することまで任せないこと」**です。
分からないことはプロに聞く。
プロの意見はしっかり聞く。
でも、最後に決めるのは自分たち。
その姿勢が、完成した家を「建ててもらった家」ではなく、**「自分たちで選んだ家」**にしてくれるのではないでしょうか。
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