シロアリ対策。通常の薬剤とホウ酸の違いは?メリットとデメリットは?
2021年04月01日
ホウ酸は、シロアリ対策として広く使われている薬剤です。
シロアリ対策に使われる薬剤
現在シロアリの駆除に使われている薬剤としては、ネコニコチノイド系薬剤や、合成ピレスロイド系薬剤、フェニルピラゾール系薬剤などがあります。最も多く使われているのがネオニコチノイド系薬剤で、これはニコチンの殺虫成分を素に作られた薬剤で、哺乳類には非常に安全性が高く、空気中への揮発が少ないといった使いやすさがメリットです。
合成ピレスロイド系薬剤は、即効性があるのが特徴で、家庭用殺虫剤にもよく使われています。
フェニルピラゾール系薬剤は、逆に即効性はなく、作用が緩やかである一方で、伝播性があるのが特徴で、薬剤を食べて巣で死んだシロアリを別のシロアリが食べることでそのシロアリにも作用する、という効果があります。
ホウ酸はシロアリに効くの?
ホウ酸もシロアリ対策としてよく使われる薬剤です。ゴキブリ対策にホウ酸団子を置いている人は多いでしょうが、あのホウ酸はゴキブリ以外の害虫にも効果があります。人間などの哺乳類はホウ酸を摂取した場合、腎臓の働きで速やかに排出されますが、腎臓のないゴキブリやシロアリは、排出することができず、死んでしまうのです。つまり、哺乳類にはほとんど影響がないのに、そうした虫だけを殺す成分ということになります。
ただし、ホウ酸は食べないと効果がないため、ホウ酸を塗った木材の上を歩いただけではシロアリは死にません。土台などにスプレーしておくと、予防効果はあるでしょう。白アリ対策が義務付けられているハワイなどでも最もよく行われている方法です。
ホウ酸のメリット・デメリット
ホウ酸のメリットは、人間に被害がなく、それでいてシロアリなどにはしっかりと効果が期待でいるということです。また、雨などに濡れると流れますが、揮発はしないので、雨のかからない床下の建材などに塗っておけば、長期間にわたって効果が発揮されます。また、木材の防腐効果もあるので、防腐剤にもなって一石二鳥です。
デメリットとしては、水溶性で濡れると溶け出してしまうので、雨のかかる部分には使えないということでしょうか。それでも最も気になる床下では使いやすい成分ですので、現在では日本でも広く使われています。
まとめ
ゴキブリ駆除で知られるホウ酸ですが、シロアリ対策としてもよく使われている成分です。木材の防腐効果もあるので、予防的に床下の建材などにスプレーしておくとよいでしょう。